みやぎの副部長の生活

アラフォーの父です。宮城での生活や子育て、最近始めた家作り、サウナ、アクアリウムについて書いていきます。

映画「七つの会議」とパワハラ

池井戸潤さん原作の映画「七つの会議」が、本日TBS系列で放送されています。

 

私がこの映画を見たのは、数年前でした。

 

会社のパワハラ騒動をきっかけに会社に隠された闇が明らかになっていくという、ミステリー要素があって、結末が最後まで分からず、それでいて伏線も回収されるというおもしろい映画だったと記憶しています。

 

そのストーリーとは別に、私はこの映画で描かれている「パワハラ」が気になりました。

 

映画であり、演出も多分にあると思いますが、この映画にあるようなパワハラを受けたことのある会社員の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

私もパワハラにあったことがあります。この映画のような激しいものではないですが。。。

 

「到底無理な締め切りを一方的に設定され、間に合わないと叱責される」

「締め切りに間に合うように提出した書類の存在を、上司が忘れている」

「一方的に要求される」

「要求に応えないと不機嫌になる」

「求めていた結果を出さないと叱責される」

などでしょうか。

(具体的に書けばもっと出てくるのですが、このあたりにしておきます。。。)

 

一つ一つを見ていけば、「そんなことよくあるよ」という、社会人あるあるな出来事なのですが、本人が辛いと感じてしまうと自分でも信じられないくらいドンドン追い込まれていきます。

 

「要求に応えられない自分はダメな人間だ。」

「この人(上司)についていかないとダメになってしまう。」

「結果を出せないのは自分に能力がないからだ。」

「ここで結果を出さないと自分の人生が終わってしまう」

 

などと、周りから見れば「そんなことないよ」と言えそうなことを本気で思ってしまうのです。(私も知らず知らずのうちにそのように考えてしまっていました。)

怖いのは、いつの間にか、上司とそういう関係になっている(上司がいつの間にか追い詰めるような状況になっている?)ことでした。

 

こうなってしまうとかなり辛い状況に陥ってしまいます。

常に気持ちが落ち着かない、そわそわした状態になってしまいます。

 

休日も楽しめません。

子供と遊んでいても楽しくありません。

映画を見ても、食事をしても仕事のことが離れません。

 

かといって、仕事もなかなか手につきません。

 

辛かったですね。

 

私は過去に二度、このような経験をしています。

一度目は、なんとか、がむしゃらにやって結果を出して抜け出しました。

二度目は、愚痴を言い会える同僚がいて助けられました。(最終的に、その同僚とともに、そのプロジェクトから抜けました。)

 

一度目の経験はともかく、二度目の経験はとても勉強になりました。

・その上司に認められなくても、組織における自分たちの評価は変わらない

・その上司に認められなくても、自分たちは社会でやっていける

ということを、同じ境遇にいた同僚が伝えてくれました。

 

言われれば、全くその通りでした。

でも、その同僚が伝えてくれるまで、私は必死にその上司の要求に応えようともがいていました。

冷静に状況を見れていなかったのだと思います。

 

本当に、その同僚には感謝しています。

彼がいなければ、私は苦しみながらもがいていたでしょう。結果が出たかどうかはわかりませんが。。

 

パワハラに悩んでいる人、苦しんでいる人は、もう一度、よく考えてみてください。

「その要求に応えなくてはなりませんか?」

「自分を生かせる道はそれしかありませんか?」

「その上司についていかないと生きていけませんか?」

 

多くの場合、答えは『NO』だと思います。

 

「この上司についていかなくとも生きていける」

「いざとなったら辞めてもいい」

 

こういう視点を持てたら、パワハラ上司とも違った付き合いができるかもしれません。

実際に辞めるかどうかは別にして、明らかにストレスは減ります。

要求に応えた方が、自分の出世などに有利な状況もあるでしょうが、出世だけが人生ではありません。

 

一方、パワハラをする側もストレスを抱えていることが多いです。

すでに得た名誉を失う恐怖であったり、さらに上の立場にいる人物からの要求であったり、、

 

そして、パワハラは連鎖します。

パワハラを受けた人物が、さらに立場の弱い人物を攻撃します。

 

つまり、パワハラを受けた人間が、パワハラをする側の人間になってしまうのです。

(映画「七つの会議」でも同じような構図でした。)

 

私たちは、容易に、パワハラを受ける側にも、パワハラをする側にもなり得ます。

 

一方的な熱意は、時としてパワハラになり得る

 

同僚が教えてくれた言葉です。

 

社会で働いていると

「こうしたい」

「こうなったら素晴らしいじゃないか」

「みんなでこういう風に頑張っていこうよ」

という願望というか、欲望がでてくることがあります。

 

確かに実現できれば、素晴らしい結果が出ることもあると思います。

 

ですが、

「本当にみんなが望んでいるのか」

「無理な要求はしていないか」

「周囲へのケアは十分か」

に注意しなくてはならないと思います。

 

簡単なようで、難しいことです。

発展を心がけなければ、組織は落ちていきます。

ですが、組織の発展を望むと周囲への圧力ともなりかねません。

 

よくよく周りをみて、気遣いも忘れないようにしないといけないなと、中間管理職という役割を担うようになって、改めて思いました。